多焦点眼内レンズについて

多焦点眼内レンズとは

多焦点眼内レンズとは、白内障手術で使用される人工レンズです。

通常の白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の「単焦点眼内レンズ」を挿入しますが、
これは一つの距離にしか焦点が合わないため、眼鏡が必要になります。

一方で「多焦点眼内レンズ」は、近く、中間、遠くといった複数の距離に焦点を合わせることができるため、
手術後に眼鏡やコンタクトレンズを使用する必要性を大幅に減らすことができます。

ただし多焦点眼内レンズはすべての人に適しているわけではなく、手術前の詳細な検査と相談が必要です。

また、一部の人ではハローやグレア(光の眩しさ)が生じることがありますので、
生活スタイルなどを考慮して、最適な眼内レンズを選択することが重要です。

「多焦点眼内レンズ」の特徴

単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの違い

くまだ眼科クリニックは、平成26年より、多くの患者様に多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を施行しています。
その経験を活かし、現在は、患者様の満足度の高い「多焦点眼内レンズ」のみを使用しております。
当院では、「2焦点」「3焦点」「5焦点」の回折型多焦点眼内レンズ、
ハロー・グレアが少ない焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF多焦点眼内レンズ)を使用しています。

多焦点眼内レンズの
メリット

メガネへの
依存度が減少

メガネなしで見える範囲が広がり、メガネのへ依存度が減少します。
※約7割の方が、メガネが全く必要なくなるという報告もあります。

ライフスタイルに
合わせられる

多焦点眼内レンズはスポーツやアウトドア活動など、眼鏡を掛けることが不便なライフスタイルをお持ちの方にも支持されています。

進化したレンズを
着用可能

多焦点眼内レンズは、改良が進み、コントラスト低下やハロー・グレアが、ほぼ無いものが出てきています。

「選定療養」と
「自由診療」について

多焦点眼内レンズの料金体系には、「選定療養」と「自由診療」があります。
多焦点眼内レンズは、保険診療内の眼内レンズよりも10倍近くのレンズ納入価がかかります。そのため、患者様のお支払いする値段も高くなります。
それぞれの料金制度について簡単に説明すると、「選定療養」は『多焦点眼内レンズの”贅沢な部分だけ”を余分に支払って下さい』という制度で、
「自由診療」は『さらに贅沢なので、手術代などを含めすべてを支払って下さい』といったイメージです。

選定療養について

「選定療養」は国内で承認された多焦点眼内レンズが対象となります。

自由診療について

「自由診療」とは、国内未承認の高度な多焦点眼内レンズが対象となり、手術費用をはじめ、
多焦点眼内レンズ代金、術後3カ月の診察代・検査代・薬代などすべてが自己負担となります。

くまだ眼科クリニックの
「多焦点眼内レンズ」の特徴

くまだ眼科クリニックでは、回折型多焦点眼内レンズと焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)を取り扱っています。
回折型多焦点眼内レンズは遠方~中間距離~近方までの視力が出やすいです。
しかし、ハロー・グレアが出る患者様が一定数います。(ハロー・グレアが出るかは手術前の検査ではわかりません)
焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)は、遠方~中間距離の視力は出やすいですが近方はやや弱い傾向があります。
しかし、遠方~中間距離が自然に見え、ハロー・グレアが起こりにくいというメリットがあります。
遠方~中間距離~近方にかけて、視力の妥協をしない方は、回折型多焦点眼内レンズを選ばれるといいでしょう。
遠方~中間距離まで自然に見えて、近方が弱めでもよく、夜間運転などでハロー・グレアが心配な方は、焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)を選ばれるといいでしょう。
患者様のニーズに合った多焦点眼内レンズをお勧めさせて頂きますので、ご質問がある方は当院スタッフにお声掛けください。

選定療養レンズ

クラレオン ビビティ
(Clareon Vivity)

焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)です。遠方~中間距離~実用的な近方視を実現し、メガネ依存度を大きく軽減できます。
またハロー・グレアが出にくいため「夜間の運転」などを心配されている患者様にもご使用いただきやすいレンズです。

多焦点眼内レンズの種類 金額(税込)
クラレオン ビビティ(乱視なし) 260,000円/片目(税込)

※上記料金は、多焦点眼内レンズの料金です。手術代、診察代・検査代・薬代などは、通常どおり健康保険でのお支払いとなります。

クラレオンパンオプティクス
(Clareon PanOptix)

回折型の「3焦点眼内レンズ」です。近方(40センチ)・中間(60センチ)・遠方の3つに焦点が合いやすい構造となっています。

多焦点眼内レンズの種類 金額(税込)
クラレオン パンオプティクス(乱視なし) 260,000円/片目(税込)
クラレオン パンオプティクス(乱視あり) 290,000円/片目(税込)

※上記料金は、多焦点眼内レンズの料金です。手術代、診察代・検査代・薬代などは、通常どおり健康保険でのお支払いとなります。

テクニスシナジー
(TECNIS Synergy)

回折型の「2焦点眼内レンズ」に焦点深度拡張型眼内レンズの要素が加わったレンズです。遠方から近方(33cm程度)まで連続的に焦点(ピント)が合う構造になっているのが特徴です。

多焦点眼内レンズの種類 金額(税込)
テクニスシナジー(乱視なし) 250,000円/片目(税込)
テクニスシナジー(乱視あり) 270,000円/片目(税込)

※上記料金は、多焦点眼内レンズの料金です。手術代、診察代・検査代・薬代などは、通常どおり健康保険でのお支払いとなります。


自由診療

※料金は為替により変動することがあります

ミニウェルレディ(MINIWELL ready)

遠方から近方にかけて、視力の落ち込みが少ない焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)で、ハロー・グレアがほとんどないのが特徴です。
良好なコントラスト感度を保持のも特徴的で、スポーツや料理、デスクトップのPCなど中間距離をメインに使う方に推奨しています。
多焦点眼内レンズの中で、最も不満が少なかったという報告があります。

多焦点眼内レンズの種類 金額(税込)
ミニウェルレディ
(乱視なし)
480,000円/片目(税込)
ミニウェルレディ
(乱視あり)
520,000円/片目(税込)

※上記料金は、手術代、多焦点眼内レンズ代、術後3カ月の診察代・検査代・薬代などがすべて含まれます。

ミニウェル プロクサ(MiniWELL PROXA)

ミニウェル・レディと同技術を使った真の焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)です。焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)の弱点である「近方視の弱さ」を解消するために製作されており、ミニウェルレディの遠方部分を弱く、近方部分を強くした構造となっています。

優位眼にミニウェルレディ、非優位眼にミニウェル・プロクサを入れることを「Well Fusion」と呼び、両者は補完的に働き、遠方~中間距離~近方までを自然でスムーズな見え方にする独創的なテクノロジーを採用しています。

多焦点眼内レンズの種類 金額(税込)
ミニウェル プロクサ
(乱視なし)
480,000円/片目(税込)

※上記料金は、手術代、多焦点眼内レンズ代、術後3カ月の診察代・検査代・薬代などがすべて含まれます。

エボルブ(Evolve)

イタリア製の焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)で、遠方~中間距離に焦点が合いやすいレンズです。
またハロー・グレアが出にくく、選択可能なレンズ度数の幅が非常に広いため、他社の多焦点眼内レンズで対応ができない「強度近視」にも対応可能です。
※乱視矯正は完全にオーダーメイドとなっています。

多焦点眼内レンズの種類 金額(税込)
エボルブ
(乱視なし)
450,000円/片目(税込)
エボルブ
(乱視あり)
490,000円/片目(税込)

※上記料金は、手術代、多焦点眼内レンズ代、術後3カ月の診察代・検査代・薬代などがすべて含まれます。

インテンシティ(Intensity)

近方・近中・中間・遠中・遠方の5つに焦点が合う「5焦点眼内レンズ」です。日常生活のあらゆる場面で、裸眼での良好な見え方を追求した眼内レンズとなっていますが、一定数の方にはハロー・グレアが出る可能性があります。

多焦点眼内レンズの種類 金額(税込)
インテンシティ
(乱視なし)
490,000円/片目(税込)
インテンシティ
(乱視あり)
540,000円/片目(税込)

※上記料金は、手術代、多焦点眼内レンズ代、術後3カ月の診察代・検査代・薬代などがすべて含まれます。

多焦点眼内レンズについて
よくある質問

多焦点眼内レンズとは何ですか?

白内障手術で濁った水晶体を取り除いた後に挿入する人工レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。
従来の単焦点眼内レンズは、メガネなしではピントの合う場所(遠くか近く)しか見えませんでした。
多焦点眼内レンズは、遠近両用の機能を持つ人工レンズで、メガネなしで見える範囲(遠方~中間~近方)が広くなります。

手術後、どのような見え方が期待できますか?

白内障手術後のメガネの依存度を減らすのが目的です。
メガネなしで、遠距離、中間距離、近距離の視力を改善します。日常生活のほとんどの場面でメガネなしで生活できる方は約7割との報告もあります。

多焦点眼内レンズのデメリットは?

夜間に、光が長く伸びて見える『グレアー』、光の周りに輪ができる『ハロー』を感じる方がいます。
しかし、最近の多焦点眼内レンズは、かなり解消されています。また、焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)という多焦点眼内レンズは、『グレアー』『ハロー』が少ないのが特徴です。
また、慣れるまでに時間がかかる方がいます。レンズの仕入れ値が高いため、料金が高いです。

多焦点眼内レンズの種類と特徴は?

多焦点眼内レンズには、回折型多焦点眼内レンズ と焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)があります。
回折型多焦点眼内レンズには、『2焦点』『3焦点』『5焦点』が存在し、光の回折現象を利用して光を複数の焦点に振り分けています。遠方~中間~近方と視力が出やすいですが、『グレアー』『ハロー』が出やすい傾向があります。
焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)は、光の焦点を振り分けることなく,見える範囲を広げるので、より自然な見え方で、『グレアー』『ハロー』が出にくいです。しかし、近方視力が弱い傾向があります。

『グレアー』『ハロー』が少ない多焦点眼内レンズを教えて下さい

焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF)です。
当院では、選定療養では「クラレオン ビビティ(Clareon Vivity)」、自由診療では「ミニウェルレディ(MINIWELL ready)」「ミニウェル プロクサ(MiniWELL PROXA)」「エボルブ(Evolve)」をご使用頂けます。

多焦点眼内レンズを入れられない場合はありますか?

網膜疾患など他の眼疾患がある場合は適用できないこともあります。詳細は眼科医にご相談ください。

くまだ眼科クリニックは、多焦点眼内レンズの経験も豊富ですか?

多焦点眼内レンズは、平成26年より、数多く使用しています。質の高い海外の自由診療の多焦点眼内レンズも、くまだ眼科クリニックでは平成26年から、数多く使用しています。

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