細菌性結膜炎とは?仕事は休むべき?症状や効果的な目薬についても解説
この記事の執筆者
熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。
目次
細菌性結膜炎とは?
細菌性結膜炎とは、「結膜」という白目表面の膜に細菌が感染することで起こる結膜炎を指します。
症状は、目やにや充血などがあります。子供や高齢者に多く見られます。
原因としては、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などがあります。他にも、性感染症としてクラミジアや淋菌が原因になります。
細菌性結膜炎は薬によって完治できる病気ではありますが、適切な治療をしなかったが故に、視力低下を引き起こすこともあるため注意が必要です。
参考記事:『細菌性結膜炎とは|参天製薬株式会社』
細菌性結膜炎の症状は?
細菌性結膜炎を発症すると、主に以下のような症状が現れます。
- 目やにが多く出る
- 眼球結膜の充血・浮腫状になる
- 角膜潰瘍が生じる(重度の状態)
特に目やに量の増加や白目部分の充血などによって結膜炎に気付く方が多くいらっしゃいますが、重篤化すると角膜潰瘍という角膜(黒目)の感染症を起こし視力低下や失明の原因になるので注意が必要です。異変に気づいたらすぐに医師に相談し、適切な治療を行うことが大切です。
アレルギー性結膜炎、ウィルス性結膜炎との違いは?
細菌性結膜炎は、細菌の目への感染が原因となり発症します。感染源となる細菌の種類は多種多様で、涙により容易に排除可能な微弱な菌から、黄色ブドウ球菌のような重篤な病態を引き起こしやすい菌まで様々です。一方で「アレルギー性結膜炎」は花粉やハウスダストなどのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が目に触れることによって生じます。
またウィルス性結膜炎は、インフルエンザなどの流行性ウィルスのように非常に感染力が高く、二次感染を防ぐためにも学校保健安全法に基づき、登校停止の対象となっています。
参考記事:『「結膜炎」の原因・症状・対処法|ロート製薬株式会社』
学校・職場は休むべき?
「結膜炎」と聞くと感染力が高く、休校対象になるイメージがあるのではないでしょうか。しかし先にも説明した通り、結膜炎には大きく分けて
- アレルギー性結膜炎
- 細菌性結膜炎
- ウィルス性結膜炎
の3種類があり、このうち学校保健安全法で休校が定められているのは「ウィルス性結膜炎」のみです。というのも細菌性結膜炎やアレルギー性結膜炎は、他人に感染させてしまうことがないため、休校・休業推奨の対象とはなっていないのです。
一方でウィルス性結膜炎と判断された場合には、医師の判断があるまで休校対象となります。一般的に休校期間としては3日〜1週間程度が基本となりますが、「流行性角結膜炎」「急性出血性結膜炎」などの症状によっても完治までの期間はさまざまです。またウィルス性結膜炎は、治ったと思っていても感染力が残っている可能性があるため、自分で完治を判断せず必ず眼科を再受診し、医師の判断を受けるようにしてください。
下記記事では「結膜炎」についてより詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
細菌性結膜炎に効果的な目薬・治療方法は?
細菌性結膜炎は「抗菌目薬」を用いることで治療を行うことが可能です。これらは市販の目薬としても販売されているため、取り急ぎの治療であれば、ご自身でも簡単に行っていただくことが可能です。しかし「アレルギー性結膜炎」や「ウィルス性結膜炎」とは効果のある目薬・治療方法が異なりますので、まずは「何が原因で起こった結膜炎なのか?」を正しく判断してもらうためにも、眼科への受診を推奨します。
また余談ではありますが、治療に目薬を用いる場合は、医師が推奨する『正しい目薬の差し方』を行うことが大切です。
下記記事では、眼科医推奨の「正しい目薬の差し方」について詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
結膜炎の症状が現れたら、すぐに眼科受診を
本記事でもお話した通り、単に「結膜炎」といってもその症状や治療方法はさまざまです。特に軽度の充血だと感じていても、放置することで重篤化したり、ウィルス性結膜炎のように知らず知らずのうちに家族や友人に感染させてしまうこともあるのです。そのため、結膜炎の種類や治療方法については自身で判断しようとせず、まずは眼科による受診・治療を行うようにしましょう。
花粉による「アレルギー性結膜炎」について詳しく知りたい方は、下記記事もあわせてご覧ください。
この記事の執筆者
熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。