目薬の「正しい差し方」知ってますか?差しすぎ・間違った差し方に要注意!

目薬の「正しい差し方」知ってますか?差しすぎ・間違った差し方に要注意!

この記事の執筆者

熊田充起

熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長

岐阜県岐阜市出身。関西医科大学卒。岐阜大学医学部眼科学教室に入局後、5つの総合病院に勤務し眼科手術などの経験を積む。平成20年に生まれ育った岐阜市に「くまだ眼科クリニック」を開院。
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。

普段から何気なく使っている目薬ですが、実は目薬にも正しい差し方があるのを知っていましたか?

本記事では、目薬の正しい差し方から「正しく差さないと効果はどうなるのか?」について眼科医が詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください!

目薬の「正しい差し方」とは?

皆さん普段からよく使用されている目薬ですが、「正しい差し方」できちんと目薬を差している方はあまり多くないのが現状です。

間違った差し方をすることで、「目薬の効果」が期待通りに発揮できなくなってしまいます。

ここからは「正しい目薬の差し方」について詳しく解説していきます。

①:点眼前にボトルをよく振る

まず点眼する前には必ずボトル(薬液)をよく振ってください。

これは目薬内の成分が均一に混ざるようにするためであり、目薬の有効成分が均等に分散されていないと、効果が十分に得られないケースがあるからです。

特に病院で処方されるような、さまざまな薬品が混ざった目薬では、有効成分がボトル下部に沈殿している場合もよくありますので、均一な濃度を保つためにも、まずはボトルをよく振り、成分を攪拌(かくはん)するようにしてください。

②:下まぶたに向けて滴下する

ボトルをよく振ったら、実際に目薬を滴下していきます。

まずは頭をやさしく後ろに傾け、天井を見上げます。

このとき、片方の手で「下まぶた」を軽く引っ張り、もう片方の手で目薬の容器を目の真上に持ってきます。

下げた下まぶたの部分に目薬を落とすように、1滴だけ点眼することで、スムーズに目薬が入ります。

目の中心(黒目部分)などに直接滴下してしまうと、痛みやかゆみ、涙分泌の原因となってしまい、せっかくの薬液が流れ落ちてしまう要因ともなってしまうため、滴下の際には必ず「下まぶた」のあたりを狙って滴下するのが理想です。

③:点眼後は数分間、目を閉じる

目薬を差した後は、目を静かに閉じることが大切です。

あわせて目頭を軽く押さえながら、2〜3分ほど目薬をなじませ、目全体に薬液を浸透させます。

もしこのタイミングで目薬が溢れ出たら、ティッシュやハンカチなどの清潔な布でそっと拭き取るようにしましょう。

手や服などで擦りとってしまうと、そこに付着している汚れも一緒に吸収されてしまうため、必ずゆっくり目を閉じたまま、漏れた薬液は清潔な布で拭き取ってください。

【注意!】滴下後に目をパチパチするのはNG!

目薬の際に、よく目をパチパチされる方が多くいらっしゃいますが、実はこれNGなんです。

先にもお話した通り、目薬は薬液を浸透させる必要があるため、数分間は薬液が外に出ないように閉じたままにする必要があります。

しかし目をパチパチしてしまうと、そのまま薬液が外に流れ出てしまうだけでなく、涙の分泌などを促進してしまい、そのまま薬液が薄まり、十分な効果が期待できなくなってしまいます。

そのため、最低でも2〜3分は目を閉じたまま、静かに目薬が浸透するのを待つようにしてください。

参考記事:『正しい目薬の差し方とは?1回で上手に差せるちょっとしたコツも紹介

目薬を正しく差さないとどうなるの?

正しく差さないことで、目薬の効果が大きく薄れて、期待通りの効果を得られなくなってしまう可能性があります。

目薬はさまざまな成分が配合されています。差す前にはボトル内で成分を攪拌すること、そして差した後には目に薬液を浸透させることが最も重要です。

特に、細菌などの感染症の治療を行う場合には、目薬の効果を十分に目に届けなければ、病状が悪化してしまう可能性さえあります。

そのため、目薬の効果を高めてより早く治療を行うためには、「正しい目薬の差し方」がとても重要となってきます。

うまく目薬が差せないときは「げんこつ法」がオススメ!

ここまで正しい目薬の差し方について解説しましたが、一人で目薬を差す場合は「そもそも目に入らない…」というケースも多くありますよね。

目薬がうまく差せない理由のひとつとして挙げられるのが「遠近感が掴みづらいから」です。

そこで目薬を差す際には、ぜひ「げんこつ法」を試してみてください。この方法は、容器を持つ手をげんこつにのせることで距離感を掴みやすくし、目薬の投与をより簡単にしてくれます。

具体的には、利き手で目薬の容器を握り、もう一方の手でげんこつを作ります。その後、顔を上向きにし、目薬を差す側の下まぶたにげんこつを作った手の人差し指を軽く当てて下に引きながら目薬を点眼すると、ボトルとの距感が掴みやすくなるため、一人でも簡単にさせるようになるでしょう。

参考記事:『目薬の正しいさし方は?間違ったさし方に要注意

目薬の効果を高めるためにも、
点眼は「正しい差し方」を意識しましょう!

本記事でも解説した通り、目薬は正しい差し方で点眼しないと、期待通りの効果が得られなくなってしまいます。

特に殺菌作用が強い薬などの場合は、よく攪拌して使用しないと、そもそも症状が改善しなかったり、最後の方に使う薬液だけが異常に濃くなってしまうことがあります。

そのため目薬を点眼する際には、

  • ボトルをよく振ってから点眼すること
  • 点眼後は2〜3分ほど静かに目を閉じること
  • まぶたに付いた目薬はきれいな布で拭き取ること

これらに注意しながら点眼を行うようにしましょう。

この記事の執筆者

熊田充起

熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長

岐阜県岐阜市出身。関西医科大学卒。岐阜大学医学部眼科学教室に入局後、5つの総合病院に勤務し眼科手術などの経験を積む。平成20年に生まれ育った岐阜市に「くまだ眼科クリニック」を開院。
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。

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