2022.07.25
小児へのブルーライトカット眼鏡の有用性について
この記事の執筆者
熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長
岐阜県岐阜市出身。関西医科大学卒。岐阜大学医学部眼科学教室に入局後、5つの総合病院に勤務し眼科手術などの経験を積む。平成20年に生まれ育った岐阜市に「くまだ眼科クリニック」を開院。
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。
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常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。
ブルーライトカット眼鏡を、小児に推奨する動きが見受けられます。
令和 3 年 4 月 14 日に、日本眼科医会、日本眼科学会、日本小児眼科学会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会は共同して、ブルーライトカット眼鏡装用に対する声明を出しています。
- 液晶画面からのブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はありません。
- 小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものです。十分な太陽光を浴びないと、近視進行のリスクが高まります。ブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません。
- 最新の米国一流科学誌が、ブルーライトカット眼鏡は眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告しています。
- 体内時計を考慮した場合、就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠けます。産業衛生分野では、日中の仕事は窓ぎわの明るい環境下で行うことが奨められています。
以上から、小児にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はなく、むしろブルーライトカット眼鏡装用は発育に悪影響を与えかねないと報告しています。
偏りのない情報と充分な科学的根拠に基づいて、小児の目の健康を守っていく必要があります。
少しでも、お子様の目の健康の参考になれば、幸いです。
この記事の執筆者
熊田充起 くまだ眼科クリニック 院長
岐阜県岐阜市出身。関西医科大学卒。岐阜大学医学部眼科学教室に入局後、5つの総合病院に勤務し眼科手術などの経験を積む。平成20年に生まれ育った岐阜市に「くまだ眼科クリニック」を開院。
常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。
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常日頃意識しているのは、「治す眼科医療」をめざすこと。日帰りでの白内障手術を数多く手がけるほか、緑内障の早期発見や小児眼科など、幅広い患者様のニーズに対応。